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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第6章 【残り菊~小紅と碧天~】 運命が動き出す瞬間

「小紅!?」
 眼の前に栄佐が眼を丸くして立っていた。
「おい、何でお前がこんなところにいるんだよ」
「昼ご飯を食べてたら、準平さんに雇われたらしいならず者が来たの。それで何とか逃げてきたのよっ」
 まくし立てると、栄佐はしばらく惚けたように彼女を見つめていたが、やがて、身体を揺すって笑い出した。

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