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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第9章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 嫉妬

「い、痛い。何をするの?」
 だが、栄佐の勢いは止まらず、小紅はそのまま強い力で布団に引き入れられた。
「栄佐さんっ」
 布団に押し倒された体勢の小紅は震えながら栄佐を見上げる。
「何でそんなに怒ってるの? ちゃんと説明してくれなきゃ判らないし、応えようがないでしょう」
 栄佐の逞しい両手が小紅の頬のすぐ側にある。その腕の中に閉じ込められた形で、小紅は身動きもままならない。

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