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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第1章 【残り菊~小紅と碧天~】 始まりは雨

 その後、祝言を挙げたものの、女は亭主とは不仲続きで、結局離縁となった。亭主の方はやはり無理やりとはいえ、他の男に抱かれた女は許せないと女の前で言ったのだという。離縁されて実家に戻った女はほどなく自害して果てたそうだ。里子に出された赤児も母親の後を追うように儚くなった。

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