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「いつか栄佐さんも言ってくれたでしょ、丸ごと私を好きになってくれた、何があったとしても、それを含めての私を好きになったって。あのときの言葉を私も今、そっくりそのまま返すわよ」
　かつて難波屋の準平に汚されそうになった話を打ち明け、こんな自分で良いのかと小紅は栄佐に訊いた。その時、栄佐は、見たままの今のお前を丸ごと好きになったのだから関係ない、と言い切った。
　刹那、栄佐の端正な顔が染まった。