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　彼は顔を赤らめたまま続けた。
「さりとて、このような昼間でも人気のない道を若い娘が一人で通るのは感心せんぞ。今後は回り道になっても、賑やかな別の道を行きや」
　考えてみれば宇之助は小紅の尾行を知っていたからこそ、わざと人気のない道に小紅を誘導したに相違ない。だが、何の拘わりもないこの武士にその話をする必要はさらさらなかった。