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お嬢様、執事にはお気をつけください

第14章 ライ③

(どうしよう…!)

ライも足音に気づいたようだ。
指の動きが止まる。

(ここは木の陰になってるから、大丈夫とは思うけど…)

ライを見ると、人差し指を唇に当てていた。
静かにしていれば大丈夫、ということだろう。
リアは唇をかたく結んで、足音が通り過ぎるのを待った。
2つの足音はすぐに遠ざかっていった。
気づかれなかったことに深く安堵し、ほっと息を吐いた瞬間ーーーー
リアの中に入ったままだった指が動き始めた。

「ひあっ?!」

気を抜いていたリアは、思わず大きな声を出してしまった。

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