ソウル・雨─AtoZ.
第5章 真夏の泡色。。。
足首を両手で挟み「僕、ユノみたいに生まれたかった…綺麗だから…」 熱っぽいチャンミンの眼差しが、ユノの小さな顔を、包み込む…。チャンミンを見返す瞳。「でもお前も…去年くらいから、急に色っぽいって…」チャンミンは、少しだけ…口元だけ微笑う。 「そう─ですか」ユノの足首から甲に両手を滑らせた。─吐息と共に、爪先に口をつける。「食べちゃいたい」そのまま足の指を口に含む。「─くすぐったいよ?…」足をバスタブの中に引き戻し、また入れようとした。 チャンミンが緩やかな動きでそっと、ユノの脚をバスタブの泡の中に沈める。「足─具合良いみたいで、安心しました」 立ち上がると淡いレモン色の小さい棚から「今朝、掃除してたら出て来たんです」ユノの顔の前に差し出す。…丸いクッキーの形の石鹸。色も薄い黄色で、表面にアルファベットが刻まれている。「本物みたいでしょう?」「面白いな。クッキーの匂いがするみたいだ」…それが海の泡のようなバスタブの中に落ちた。拾いかけたユノの腕を、チャンミンが湯の中に手を伸ばし押さえた。ユノの体に触れる。身を引こうとするユノに「僕に触られるの嫌ですか」 ─無数の泡のひとつひとつに、ふたりが映る。