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ソウル・雨─AtoZ.

第1章 夢限な夜明け

 急に、体に加えられた重みに一瞬、まばたきするように軽く目を閉じてから、少し目を開く。
 「……チャンミン」 「─嬉しいです」細い指先でユノの髪を弄びながら、云った。
 「目が覚めて…最初に、僕の名前呼んでくれて─」
 またユノは目を閉じてしまう。 ─いっそう強く、下肢を押しつけるように絡ませる。「─もう…起きる…から─」くぐもった声でユノが喘ぐように口を開いた。
 楽しげに、ユノの顔を見ながらチャンミンは黙っていた。「…起きるから…重いし─どいて─」もがくように上半身を起こそうとする。
 …鼻の頭に軽く口を触れた。また瞼を、ユノは閉じた。…身を起こそうと、動くほどに下肢は強く押し付け合う。…諦めたようにユノは顔を背ける。
 「さっきも…いいましたけど、1日こうしてたいんです」ユノは目を閉じたままで何も云わない。がっしりした肩をその感触を、愉しむように形の良い手をチャンミンは置いた。
「ユノ」独り言のように云うと、鎖骨に沿って、ゆっくりと唇を動かした。 更に唇は下に降りて行く。「チャンミン─」 「…そんなに起きたいんですか」
 チャンミンはあっさり体を離した。ユノは気怠そうに身を起こす。

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