ソウル・雨─AtoZ.
第7章 エンドレスナイト
冬を連れて来る雨が、静かに降りそそぐ…「僕は不必要な─いらない人間で何の価値もない。誰にも振り向いてもらえない、だから僕なんか─どうなってもいい」「チャンミン─!」…満足げな表情にチャンミンはなった。「うん。─ユノに今と同じ口調で…云われたよね─あの頃…」ユノの手に、自分の手のひらを重ね、「そうやって何でも、自分で決めつけるって思い上がりだって」「チャンミン─」ふっとユノに笑いかけた。「そう叱られたけど…優しくて」天井に顔を向け、「ユノに叱られたのはあれが初めて…ユノ、哀しい顔してた」そっと瞳を閉じ、「そのユノの言葉だけ─あれば良いから」─顔を振り上げたユノは「婚約の話はまだ何も決まってない。お前、早合点してる」「…でもね。もう充分だよ」「充分って─」チャンミンの手を握る。チャンミンの手はそのまま動かなかった。
「お互いの気持ち、何も変わってない」独り言のように、呟いた。「じゃ…何が変わったんだろうね」時を刻む時計の音に、「もう1時間近く話してるね」「眠れそうにないけど…」黙って、時計の音だけを聴いている─。永遠の時間が静かにふたりの上を過ぎ去って行く夜…チャンミンの噛んだ唇が、朱に染まった。
「お互いの気持ち、何も変わってない」独り言のように、呟いた。「じゃ…何が変わったんだろうね」時を刻む時計の音に、「もう1時間近く話してるね」「眠れそうにないけど…」黙って、時計の音だけを聴いている─。永遠の時間が静かにふたりの上を過ぎ去って行く夜…チャンミンの噛んだ唇が、朱に染まった。