ソウル・雨─AtoZ.
第8章 雨の夜の彼方へ─
(チャンミン─)ユノの痛ましげな視線。(お前…変わった)(どんな風…に?─)(…いつも、何かを─憎んでる、みたいだ…)俯き、伏した目のまま─(俺の思い過ごし─かな…?)(どうして…そう、思うの─?)(ア…。─夜…眠ったかなぁって思うとジッと目、開いてて…)(─眠れないこともあるから)(うん、…でも。何だか怖い目、してて…)(僕が…? 怖いんですか─?)……青い、不意のいなずまの轟きが、寝室全体を震わせ、チャンミンを遠い深い想いから、醒めさせた。
ユノの口にまた、思い出したように唇を近づけると、まだ先ほどの、赤い火の液体の香りを、放っている─。
「飲み慣れない、強いアルコールを…ご免ね─ユノ」ソッと、囁く。「少し…酔っちゃうよね」枕に乱れた髪の毛を、指先で整えてやる。「でも…」かかえるように、抱きすくめた。「正気でないほうが、楽じゃない? …」─疾うに夜の明ける気配が忍び込む時間が、先刻のいなずまに切り裂かれてしまったらしい。
(ユノ…)首筋と肩に、顔を押し当てて、ため息と共に愛しい言葉を吐いた─。
ユノの手をとって、自分の背中に回す。チャンミンのするままの姿をとるユノは、抱き人形に似ている。
(僕は、憎んでる…ユノを─)
ユノの口にまた、思い出したように唇を近づけると、まだ先ほどの、赤い火の液体の香りを、放っている─。
「飲み慣れない、強いアルコールを…ご免ね─ユノ」ソッと、囁く。「少し…酔っちゃうよね」枕に乱れた髪の毛を、指先で整えてやる。「でも…」かかえるように、抱きすくめた。「正気でないほうが、楽じゃない? …」─疾うに夜の明ける気配が忍び込む時間が、先刻のいなずまに切り裂かれてしまったらしい。
(ユノ…)首筋と肩に、顔を押し当てて、ため息と共に愛しい言葉を吐いた─。
ユノの手をとって、自分の背中に回す。チャンミンのするままの姿をとるユノは、抱き人形に似ている。
(僕は、憎んでる…ユノを─)