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『好き』の重さ

第9章 再会、そして…

涙が溢れてしまうかと思ったその時――


芝田さんが近寄り、私の手を引いた。


強く握る手のひらが暖かい…


「早くいくよ!
折角、目の前に停まってあるタクシーが、他の人に乗ってかれるぞ!?」


「え?……」


「あの店…もうやってるからさ!
僕、カラオケ…歌いたいからあのスナックに付き合って!?」


「…っ!!」


芝田さんの従兄弟がやってるスナック!!


「ははは。
歩いたら少し距離が有るからタクシーで行こう」


呆気にとられながら手を引かれてタクシーに乗り込んだ。



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