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『好き』の重さ

第3章 浮気?本気?

春の夜風はまだひんやりとしていて、薄手のコートの私はつい芝田さんの腕に掴まった。


彼(修)に何時もそうしているせいで芝田さんにも同じようにしてしまっていた。


歩いていたら酔いが回ってしっかり掴まらないと倒れてしまいそうになる。


「ごめんなさい…
ちょっと…気持ち悪い…」

「大丈夫?困ったな…
タクシーも捕まらないし…ちょっと部屋で休んでいく?」


私たちは、芝田さんが泊まる予定のホテルの目の前迄来ていた。


「じゃあ…少しだけ休もうかな…」


言い訳みたいになるけど、芝田さんとどうこうなろうなんて少しも思っていなかった。


寧ろとても紳士な芝田さんに限って間違いなんか決して無いと信じていた――


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