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『好き』の重さ

第12章 運命(さだめ)

不意にその場を離れた私を追いかけて、杉本さんが隣に座った


「星川さん…どうしました?少し酔いましたか?」


「ご免なさいね。
少し…仕事の疲れが出たみたいで…」


上手く誤魔化したつもりだったのに、頬を伝った涙を拭いきれなかったみたい


「……もしかして…
星川さん…係長の事が…」

「ふふっ、私が芝田さんを…?
まだ数回お会いしただけですよ」


「実は…
係長が星川さんの話をする時、とても優しい表情になるんです。
奥さんの事を聞くとあんなに険しい顔をするのに…

あっ…、今のは忘れてください。

係長、今回は此方に来るつもりだったんです。
それが急に…

僕が東京に行く事になっていたんですが、変わってくれって言われまして。

よくわかりませんが、東京営業所の管野課長に用事があるようです…」


「管野課長…
あの…ガッチリしたやり手の課長さんですよね!?」


杉本さんは、難しい顔をして小さく頷いた



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