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『好き』の重さ

第15章 好きの重さ

東京での夜――

僕は佐伯さんと職場近くの居酒屋の個室で向かい合った

彼は僕達夫婦の状況を全て理解していた。

香織とは会えない間も密に連絡を取り合っていたのだろう…


ゆっくりと呑みながら、僕の知らない2人の事を話してくれた


大学時代に香織からの告白で1年間付き合った事

当時佐伯さんは他に付き合ってる人がいて、香織の思いが大きすぎて遊びでは付き合うことは出来ず別れを切り出したのだと言う

それを、外見のせいだと勘違いしていたらしい…

同じ会社に入社してきた香織は別人のように綺麗になっていた

香織は佐伯さんとの別れをずっと引き摺っていたらしく、入社当時は仕事の事以外は佐伯さんが話し掛けても目を反らしたらしい…


それで、佐伯さんはあの別れが香織を深く傷付けた事に気が付いたと言って、小さく溜め息をついた


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