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『好き』の重さ

第6章 戸惑い

「堀内さん、またお越しくださいね。」


私は女将さんのお見送りに軽く会釈をして歩き出し、課長はにこやかに手を挙げた。



「課長の好みのタイプでしょう?」


「いや〜!
僕に限らず女将目当ての常連は沢山いるだろう。
あ、いや!!
僕にそんな下心は無いけど」


慌てて照れ笑いをする課長にほんの少しだけ嫉妬して、何よりあの…ピリピリした感覚がなんだったのか気になって、腕に絡み付き手の甲をつねった。


「痛っ!」


そう言いながらも課長は私の手を掴み指を絡めてきた

驚いたけど、決していやではなかったし…
あのピリピリした感覚はなかった


"やっぱり…気のせいだったのかな?"



「今日はカラオケ行こうって言わないんですね」


「こらっ!いつも歌ってばかりな訳じゃ無いんだよ!」


からかう私をたしなめるように繋いだ指に力を込めた

「――…っ」


繋がれた指にあの感覚が現れた…



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