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｢僕の気持ちだ。
それ、ひとみが好きだって言ってただろう!?｣


初めて貰った赤いバラの花束は心が震えるくらいに嬉しくて…
視界が霞んでいくのがわかった。


｢ありがとうございます｣


それだけ言うのが精一杯で…
顔を上げて課長の顔を見た途端、涙の粒がポロリと落ちた。


｢泣くなよ…

ひとみの事…大事にするからね。
僕は…ひとみを不安にさせないから！

あっ…
じゃあ、また月曜日に会社で！｣


そう言うと照れくさそうに片手を上げ、そしてハンドルを握った。


私はバラの花束を抱えて走り去る課長の車が見えなくなるまで見送った。


『僕は…ひとみを不安にさせないから…』

課長の言葉が脳裏で何度もリプレイされた…


課長は…何かを感じ取っているのかな…


そんな事を思いながらドアの鍵を開けた。