
☆短☆編☆集☆[新・続]
第2章 ヒーローにひかれる松井くん
こうして俺は少しでもあのバイト先にいかせないようにと、毎日のように放課後の掃除を手伝わせていた
半端強制的に
断られるまでは頼み続けて少しでもひき止めようとしていた
自分でもパシリみたいな事をしている自覚はあった
その内に段々と分かっていった
頼まれたら断れない性格をしているんだと
俺は意地が悪いから止めようとはしなかった
多分俺は光輝と言う人間に興味があり、気になる存在になっていたんだと思う
俺の家からその地区センターは10分もしない程の距離、俺は光輝なのか確かめに家に着くと着替えてからチャリで其所に行った
だけど出てくる時刻は夜中の8時9時だから暗くてそれが光輝なのかは確信が出来なかった
だから光輝に聞き出そうと思って昼休みに隣の教室に向かった
だが光輝は居なかった
一旦教室に戻り、弁当を持ってから校内を探し回るとホールの所の端に光輝がいたから声を掛けて隣に腰を下ろした
なんだ、こいつ昼飯一人で食ってんのか
もっと早く気付けばよかったな
そんな風に思いながら弁当箱を開けると横で光輝がキラキラと目を輝かせながら何か寄越せよアピールを食らった
可愛いーじゃん
何か食べたい物を聞いて卵焼きって
自分で作ってる弁当だから正直嬉しくて、卵焼きが食いたいと言うから箸で摘まんで光輝の口元まで運んでやった
反応が予想と同化し過ぎて笑っちまった
