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☆短☆編☆集☆[新・続]

第2章 ヒーローにひかれる松井くん




開かないって...ちょっと嘘だろ.....



「店長?そこに居るんですか?」



少し恐怖を感じたのか声が自然と震えてしまった



すると――



「松井くん? もう来てたの?」



と、もう一個奥の扉の方から店長の声が聞こえた



あ、よかった



「あ、はい、今着ました!!」



「偉いね、今日は時間内に間に合ってるよ」



「あー...すみませんでした!!」



俺はギグっとして顔をひきつりながら速出た言葉が謝りの言葉だった



「ふふ、怒ってないから大丈夫だよ」クス



やっぱり店長は優しいな



勝己が何か変な事言い出したりするから何時もと違う事が起きると怖くなるじゃんか



「あ、あの、店長
扉にロックが掛かってしまって
出れなくなっちゃいました........」



「あー、それね」クス



俺は店長のクスっとした笑い声に首を傾げた



「その扉は内側からなら何時でも入れるけど
中に入って一度閉めると、鍵を使わないとこっちからは開けられない仕組みなんだ」



なるほど、そんだったのか



「鍵は僕がちゃんと持ってるから出られるよ」クス



「そうだったんですか
勝手にロックが掛かるから
てっきり店長が閉めちゃったのかと思いました」



いきなり鍵が閉まるからびっくりした



「はは、ごめんね.....
....でも、今の聞いて安心したでしょ?」



「...?はい」



「それより松井くん
そんなところに居ないで
こっちに来て手伝ってくれないかな?」



「あ、はい、今行きます」



先程の戸惑いと躊躇いが無くなり、扉に手を掛けて中へと入った



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