
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-
ダリオの視界はまるで景色がネジ曲がったみたいに変化し足がフラついてしまい体勢が維持できない。
「おらよッ!」
「ぐっ…ラヴァーズ…」
「あ゙ん?!…ちっ!」
ダリオは血の気の多い女のアメリカン・クラッカーに危うく頭を鈍器の様に殴られる所だった…
しかしダリオは何とか意識を保ちながらナース・ラヴァーズ-看護婦の恋人-を操作してナース・ラヴァーズ-看護婦の恋人-のメスで血の気の多い女の左腕に突き付ける。
意識が定かではないダリオの操作はナース・ラヴァーズ-看護婦の恋人-の得意であるスピードを活かしきれず避けられてしまう。
「うっ…なんだろ…僕は特に病気とかしていないし…頭がカチ割れそうだよ…」
「やれやれ。やっと聞いたか…」
「なん…だって…」
カチカチカチカチカチカチ…
血の気の多い女は耳障りな音がするほどに左右のアメリカン・クラッカーを鳴らしながら距離を置く。
「このアメリカン・クラッカーはキャリバー・カードによる私の゙闘う想い゙が具現化したのがクラッカー・ハート-撲殺の鈍器-だ。ただのアメリカン・クラッカーじゃないんだよ!」
「うっ…ラヴァーズ!!」
「ノロマだねっ!」
「マズイ…」
血の気の多い女は再びアメリカン・クラッカーを鳴らしながらダリオに近付く。それに対応する様にダリオもラヴァーズで対抗する。
だけどダリオの意識はまだ朦朧と集中出来ずにナース・ラヴァーズ-看護婦の恋人-のトリッキー且つスピードのある攻撃が出来ずに避けられる。
「く、クラッカーが…ない…」
「へへーん!引っ掛かったな!バーカッ!」
「なに…?!」
「ガハッ!!」
ダリオは血の気の多い女が持っていたクラッカーがないと思っていた。
だけど、それは無かったのではない。アメリカン・クラッカーの紐を腕に通して背中に隠してないと見せ掛けての不意打ちだったんだ…
