
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第4章 第4話 ギルド全員集合
「みんな!臨時体制だッ!キャリバー・カードを使うぞ!!」
「ちっ!」
「仕方ないか…」
「やってやる!」
純弥と一八とダリオと俺は目をつぶりながら闘う想いを込める。すると俺達の目の前に光り輝くタロットカードが現れクルクルと表と裏が交互に回る…
純弥ば愚者゙のカード。一八ば戦車゙のカード。ダリオば恋人゙のカード。俺ば吊るされ男゙のカード。
そして俺達はいっせいにキャリバー・カード能力を同時に叫ぶ。
「ノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-!」
「エンジン・チャリオッツ-熱機関の戦車-!」
「ナース・ラヴァーズ-看護婦の恋人-!」
「バインド・ハングドマン-緊縛の吊るされ男-!」
俺達は1つに固まり背中を向き合わせお互いに背中を預ける様な形で臨時体制を取る。
俺達は黙り込んだままで誰1人として言葉を発しない糸が張り詰めた緊張感に包まれる。
敵は複数人。1人は地面からトーテムポールを出すのは分かったが、その後にトーテムポールはすぐに引っ込んで何事も無かった様に霧だけが俺達を包み込む。
全員、辺りを見渡しまた少しでも気配を感じられる様に目、耳、鼻に肌と五感の神経を研ぎ澄ます。相手が先手を取るならカウンターを狙うしかない。
だけど相手もそうそう馬鹿では無さそうだ。きっと何処からか俺達を見ているのだろう。仕掛けてくる様子が感じられない。
そのときだった。一八に向かって2本の触手が弾丸の様な素早さで迫ってきた。
「ぐっ!」
「「「一八ッ?!」」」
「なに…大した事はねぇさ。この触手を掴んだんだから引っ張り出してやるッ!!」
一八はチャリオッツを宿した右腕で触手を掴み力いっぱいに引っ張り出すと、腕が触手なのだろう。顔が半分だけ仮面で隠れ、まるで少女の様な人形が出てきた。
「ああ…バレちゃったか。」
