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カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-

第4章 第4話 ギルド全員集合


俺が全身から放ったハングドマンを無駄な動きもなく、すり抜けて俺に近付いてくる。そしてオッサンは口から煙を吐いてナイフの様な刃物を右手で持ち、確実に俺を仕止める気だ。

「ちっ……ここまでかッ!!」

「グッド・バイ。有望な青年よ。」

「なんちゃってね。」

「なにっ?!」

すると俺を仕止める目前にしてオッサンの動きが何かに絡み付けられた様に止まる。

「これは……」

「ふぅ…やっと拘束出来たぜオッサン。」

オッサンが俺の目の前にして動きが止まった理由。それは目では見えない位にギリギリまで細くしたハングドマンの鎖だ。

さっき俺が派手にハングドマンを全身から放ったのは細くしたハングドマンの鎖を出している事を悟られない様にするため。

細くしたハングドマンを俺の近く周辺に張り詰めたのはオッサンは必ず近付いてくると確信したから。

「さてオッサン。何で俺達を狙う?そして、あと仲間は何人いる?事の次第によっちゃあ痛い目にも……」

「ふん。俺は仮にも、そして腐っても軍人だ。絶対に仲間を売らないし、どんな尋問にも拷問にも屈しない。」

「ちっ……」

厄介な奴だ。仲間を大切にする心と自分が軍人である事の誇りと美学を持っていやがる。アイツの目は嘘なんかじゃない。

どんな尋問にも、どんな拷問にも耐えて、必ず仲間は売らない。いや売った事がない奴の目だ。

「青年よ……」

「なんだよ?」

「俺を捕まえた気で居るなら、まだ気が早いぞ?」

「…っ?!」

するとオッサンの身体は段々と真っ白になっていき、身体の形も原形を保たず、フワリと煙の様に姿を消え去った。

「まさか!これは!」

「その通り。フェイクさ青年。ふぅ…」

オッサンは煙草を口にくわえたまんまで俺に近付き。再びさっきと同じ様に口から煙を吐いて、今度はナイフではなく警棒を片手に構えて走って向かってくる。

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