
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第1章 第1話 運命のカードに身を任せる
「今度はイカスミ入りのパスタを食えよ。」
「おう。頂くぜ。」
純弥はフォークとスプーンを使ってクルクルとインクの様に黒いパスタを巻いてから汚さない様に丁寧にパスタを口に運ぶ。
「この独特の味がまた良いな。何よりも濃厚でコクがある。」
「これはイカスミだけじゃなくてイカのハラワタも使ったんだ。」
「どうりで。全く、お前は将来は良いコックになりそうだな。」
「そう言う純弥こそ、将来は大スターのロックミュージシャンになれよ?」
「勿論だ。」
「よく言うぜ。」
俺達は楽しく将来の夢を語り合いながら美味しく料理を頂いた。純弥は『美味い、美味い』って言いながら食べて、そして途中からBGMで音を小さくだけど純弥が作詞・作曲した生演奏。
それはロックな音を出すが歌詞は少し切なくホロ苦い大人の恋愛の歌詞だった。
全てを食い終わって食後は冷凍庫にあった高級アイスを食いながらテザートタイムを楽しむ。
「刃。この後はどうするんだ?」
「あぁ〜…そうだ!色々と買い出ししないとなんだよね。」
「そうか。じゃあ飯を作ってくれた礼に手伝ってやるよ。」
「マジで?それは助かるよ純弥。」
「ただし夕飯も頼むぞ。」
「おっ…おう。きっちりしてるな。」
アイスも食い終わった事だし少しばかり休憩をしながらキッチンの後片付け。料理人が後始末をしないなんて料理人ではない。って言うのが俺の持論。
ちゃんと料理人の商売道具の用具をちゃんと綺麗に大切に手入れしたり使わないとダメだからな。
俺は全部の後始末を終えて洗い終わった皿やフォークにスプーンにフライパンの水滴を拭いてから元にあった場所に戻し、俺と純弥は一緒に部屋を後にする。
これから先が運命とか宿命と言う何か意味深な事が突然としてやってくるのを知らずに……
