
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第1章 第1話 運命のカードに身を任せる
マンションを出ると少し肌寒い冷たい風が吹いてくる。空気も乾燥してきて喉が少し乾いてきてるのが分かる。
「刃。今日は何を買いに行くんだ?」
「何か冷蔵庫の中もお茶にコーヒーも切らしてるし色々と買う。」
「なんだか荷物が多くなりそうだな。」
「良いじゃん。別に。夕飯も俺が作るんだからさ。」
「鶏肉の水炊きが良い。」
「分かったよ。それにしてやるから手伝ってくれよ。」
そういつもの様に話しながら今日の晩飯について話して、いつもの様に俺と純弥で一緒にいる日常。
今は自分達の゙将来の夢゙の途中だけど、いつか夢を叶えられた時に『あの頃は大変だったけど、それなりに楽しかったよな。』って2人で語り合いたい。
そう思いながら今は目の前の事に精一杯だけど確実に夢に向かってこうやって歩き始めている。
暫く歩いていると小さな商店街に行き着く。鶏の水炊きにするなら鶏肉と昆布で出汁を取ってから葱に豆腐に白菜に…
「そこの2人。」
「「…?」」
俺が今日の晩飯である鶏肉の水炊きの事を考えていると誰か若い男の人の声が聞こえてきた。
俺達は声が聞こえてきた方へ振り向くとローブを深く被り占いの館まで用意された如何にも自分は占い師ですって感じの人が居た。
「あの〜…俺達の事を呼びました?」
「あぁ。俺が呼んだのは君達の2人だ。」
何か言葉数が少なくそれでいて、とても落ち着いた声の男の人。ローブを深く被っていて顔が見えないのが何か怪しい。
「なんの用ですか?占いはしませんよ?」
「え〜。そんな事言うなよ純弥。」
「刃…」
「この人も仕事でやってるんだからさ。純弥の分も払うからさ。暇潰しにやろうぜ。」
取り敢えず暇だしさ。あんまり占いって信じないけど、たまにはやってみるのもさ良いじゃない?
「分かったよ。刃がそこまで言うなら。」
