
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第1章 第1話 運命のカードに身を任せる
「なにそれ?」
「馬鹿馬鹿しい。行くぞ刃。」
「そうは行かない。」
すると俺達に何が起きたのか全く分からなかった。俺達が居たのは、ごくごく普通で小さな商店街だ。なのに…
「なんでジャングルに?!」
「いったい何をした?!」
「そう怒るな若者よ。最近の若者は怒りっぽいな。」
すると占い師さんは深く被っていたローブを外して顔を見せる。黒く艶のあるウルフの髪型にそして…
「なんで白い羽が?!」
そう…その言葉以外に何も出なかった。いや出るはずがなかった今の俺には…
「俺の名前はガブリエル。7大天使の1人だ。」
「7大天使?なんで天使とか…いや7大天使の存在が怪しいなアンタが。」
「信じるも信じないも勝手だ。だがここはドラゴンのいるジャングルだ気を付けろ。」
「ドラゴン?まさかファンタジーな世界じゃあるまいし。」
「でも純弥。俺達は今まで商店街にいた筈だ。なのに、いつの間にジャングルに移された。さっきまで雰囲気がかなり違う。俺はこのガブリエルって人の言うことを信じるよ。」
信じるしかない。純弥が天使の存在を信じなくても、今ここに俺達が居るジャングルがドラゴンが居ようと信じる他ないんだから。
「信じて貰えれば有り難いな。お前達には旅をしてもらいたいのさ。」
「占い師さん。何故に俺達は旅をしなくちゃイケないんだ?それだけでも教えてくれよ。」
「…悪いが今は教えられない。だが一緒に旅をするのは、お前達2人ではない。」
「なんでだ?!なんで教えてくれないんだ?!それに俺達2人だけが旅をしないって…」
「そうだな。今は済まないが教えられない。しかしいずれ話そう。」
「刃。どうやら今はラチが開かないから、もう1つの俺達2人だけが旅をしないって事を聞こう。」
「あぁ…」
俺は後ろから純弥に肩を軽く叩かれて、もう1つの理由を聞く。
