
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第2章 第2話 マギ・ウォールド
少しの間、俺も純弥も何事も喋らないから何だか気まずい空気だけが漂う。
「純弥…」
「どうした?刃。」
「あのさ…こんな事になったの怒ってる?」
「どうしてだ?」
「お、俺が『暇潰しに占いやろうぜ』って言ったから…こんな事になっちまって…あの…ごめん…」
「気にするなよ。それにガブリエルって人さ言ってたじゃないか。『君達は選ばれた』って。きっと俺達があの場から逃げても、もしかしたら俺だけあの場から逃げていたとしても…こうなってたさ。」
「本当に…ごめん…」
「もう良いよ刃。今はこのファンタジー染みたドラゴンからの危機を脱しよう。」
「うん。そうだな!そうだよな!クヨクヨなんてしてられないよな!」
「その通りだって言われても…実際にあの火を吹くドラゴンにどう立ち向かえれば良いんだか…」
「あのさ純弥。」
「ん?」
「俺にもキャリバー・カードの力が使えたんだから純弥にも使えるんじゃないの?だって俺にも出来たんだから純弥にも出来るはずだよ!」
「そうだよな。確かに俺も刃もガブリエルからタロットカードつまりキャリバー・カードを引いた。そして刃のカードはハングドマン-吊るされた男-。そして俺はフール-愚者-のカード。つまり俺と刃で力を合わせれば…」
「あのドラゴンなんてフルボッコに出来る!」
「そうだな。確かガブリエルは『闘う想い』がキャリバー・カードの具現化だったよな。」
「うん!まさにその通りだったぜ!!」
「なるほど…」
純弥は目をつぶりながら純弥の闘う想いを込める。すると俺と同じ様に純弥の目の前に光り輝ぐ愚者゙のタロットカードが現れクルクルと表と裏が交互に回る…
「そうか…コレが俺の能力なんだな。こい!ノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-」
すると純弥の目の前にはピエロのステッカーが張られたギターが現れて純弥はそのギターを手に取る。
