
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第2章 第2話 マギ・ウォールド
「コレが…俺のキャリバー・カードの能力なのか……?」
純弥はそのキャリバー・カードで現れた純弥自身が゙闘う想い゙を具現化したのがノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-だ。しかし純弥の顔は少しばかり不安の顔色が窺える。
「どうやって使えば良いんだ?」
「…ギターの武器って聞いた事ないな。」
「……」
そう。純弥が不安げな顔をしている最大の理由が使い方なんだ。ギターをどの様に使えば良いのかが分からない。
俺のバインド・ハングドマン-緊縛の吊るされた男-は鎖に更にその鎖の先には円錐の楔があるから何となく、何となくだけど使い方が分かる。
だけど純弥のノイズ・ザ・ギター-騒音の愚者-は扱い方が分からない。むしろギターをどの様にして武器として使えば良いのか分かれば苦労はしない。
「刃…」
「どうしたんだ?純弥。」
「あのさ…」
「あぁ…」
「不謹慎なのかもしれないんだけどさ。俺…」
「純弥…?」
「このノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-って言うキャリバー・カードのギターで弾きたいんだ…あのドラゴンにこのギターでメチャクチャ俺のギターを叩き込みたい。」
「あ、あのなぁ〜?!今は非常時だぞ?!純弥!今、俺達の目の前には火を吹くドラゴンがだな……はっ!」
俺はこの下手すれば俺も純弥も命を落とすかもしれない危機的な状況の中で純弥は呑気にノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-でギターを弾きたいって言い出した。
俺以外にも普通の人ならこの死活問題の中で能天気な事を言う奴はたとえ親友と言えど注意するはずだ。
だけど、このキャリバー・カードは違う。なんと言っても普通の武器じゃないんだから。使用者の゙闘う想い゙が具現化したのがキャリバー・カードなんだ。
【ノイズ】は英語に訳すと【騒音】。つまり純弥の能力は…
「純弥!思いっきり、このギターで弾いちゃいなよッ!!」
