
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第2章 第2話 マギ・ウォールド
「え?でも…刃…」
「良いから!もうドラゴンがメチャクチャになるまで純弥のギターを叩き込んでよ!!」
「あっ…あぁ。分かったよ。」
すると純弥はギターのピックでノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-の弦を軽くなぞる様にギターをならす。
【Pitch Extent】
ノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-から無機質な機械音が鳴ると同時に純弥を中心に薄く半透明なサークルが出てくる。
純弥を中心にしたサークルは瞬く間に大きく広がりまるで何かの結界を張った様にドラゴンと俺と純弥を含めた、この辺り一帯を覆った。
「な、なんだよ?急に…」
「Pitch Extent…そうか!」
「純弥。何が分かったんだよ?」
「Pitch Extentは英語では音域って意味にも訳せるんだ。」
「音域?」
「つまりだ刃。このサークルの様な結界は俺のノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-の音による攻撃が届く範囲なんだよ!」
「そうか!なるほどね!」
やっと確信が持てた。純弥のキャリバー・カードのノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-の能力。それは騒音と言う名の音の攻撃。音撃(おんげき)なんだ。
純弥が最初にピックで弾いたのはサークルの結界の中では純弥のノイズ・ザ・フールの音撃が最大限に効果を発揮すること。
音は空気を振動させてから生物の聴覚に叩き込む理論。だけど純弥のノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-のサークルの中では振動させられる物を全て音撃を出来る事なんだ。
「さぁ…ここからは俺の音域だ!」
純弥はノイズ・ザ・フールを構えて右手にピックを持ち純弥によるギターソロの音撃が始まる。純弥は骨太のロックロールを演奏するかの様に音撃がドラゴンに叩き込む。
純弥のノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-は弦を引くたび引くたびに衝撃波の様な音撃を繰り出す。
その衝撃波は確実にドラゴンにダメージを与えているのは俺の目からでも分かる。
