テキストサイズ

カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-

第2章 第2話 マギ・ウォールド


「バカ野郎!」

「痛ッ!!何すんだよ?!」

俺は自慢気に純弥に笑い掛けると何故か純弥に殴られてしまった。

ってか殴る意味?!

「お前な…俺がどんだけ心配したか分かるか?!危ない真似をしやがって!もしお前のが軌道がズレてたらどうするんだ?!もしドラゴンの角が折れなかったらお前はそのまま落下して大怪我をする所だったんだぞ?!俺が…俺がどんだけ…心配したか…」

「全く純弥はよ〜…俺が絶対にあのドラゴンの角が折れるって思ったから突っ込んだんだし。現にお前も見ただろ?ちゃんと角を折っただろ?」

「くっ……お前が…刃が…無事で…良かった…」

純弥はうっすらと涙を浮かべながら俺の両方の肩を手で掴みながら純弥は俺の無事を珍しく表情を見せては喜んだ。

「まぁ、ドラゴンも倒したし長居は無用だからさっさと次に行こうぜ?」

「そうだな…」

俺と純弥は後ろを振り向かずに次に進もうと歩き出したその時だった…

「グルルル…」

なんだろうか…俺は物凄く嫌な予感がしてくる。それは顔いっぱいに冷や汗を流す純弥にもだ。

この聞いた事がある唸り声に俺と純弥は間違いなく悪寒と恐怖を感じているのは確かであり、危機を脱した安堵から再び地獄に引き戻された気分だ。

俺と純弥はゆっくりと同時に今まで見なかった後ろを振り向いた。

「グルルル…グウォォォオオオッ!!!」

そして俺達は後ろを振り向いて後悔してしまった。それは左右の角を一本無くしながらもビリビリとした緊張の中で咆哮を上げるドラゴンがまだ立ち上がっていた。

「なぁ…純弥…」

「なんだ?刃…」

「物事ってアレだね。そう上手くはいってはくれない物なんだね…」

「全くだ。満身創痍になりながらやっとの思いで倒した奴がまだ俺達の前に立ち塞がるんだからな。」

「だよね〜…」

「これはやっぱり…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ