
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第2章 第2話 マギ・ウォールド
「「逃げるが勝ち!!」」
俺と純弥は最終手段の逃げるという選択をしたが、それでもドラゴンは火を噴きながら俺達を追い掛けてきやがる。
「熱ッ!角を一本折ったのにまだ追い掛ける元気があるのかよ?!」
「全く…生物の三大欲求の1つの食欲は凄まじい執念だ。」
「むしろ食い意地張りすぎじゃね?」
「刃と良い勝負じゃないか?」
「そこまで意地汚くねぇ!!」
俺達はジャングルの中を全速力でドラゴンから逃げて撒こうとしても最早ドラゴンの意地なのか追い掛けてくる。
「ハァ…ハァ…ヤバい。そろそろキツい…」
「俺もだ…ハァ…ハァ…酸欠になりそうだ…」
「でも…足を止めたら俺達はドラゴンの腹の中だ…」
「正直、俺も体力の限界だな…戦うにもドラゴンを倒せる自信がない…」
「俺も…何か策はないのかよ…」
「角を一本折ったお陰なのかドラゴンもだいぶバテバテだな…火を噴く威力もあんまりない。」
「だけど、どう考えても俺達が圧倒的に不利だぜ?」
いくらドラゴンのスタミナが無くなったとはいえ明らかにドラゴンの方が俺達よりスタミナがあるのは一目瞭然。
ったく!こんな時に悪知恵が働かない俺は俺じゃ……
あっ!!さすが俺だ!やっぱり悪知恵だけは健在だ!
「純弥!」
「どうした?」
「俺がたった今この場で、とっておきの策を思い付いた!純弥のノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-がキーカードなんだ!どうする?乗っかる?」
「そんなもん決まってるだろ?乗っかるに決まってるだろ?!」
「よし!決まりだな。バインド・ハングドマン-緊縛の吊るされた男-!捕まって!」
俺は右手からバインド・ハングドマン-緊縛の吊るされた男-の鎖を出して少し遠くにある木に巻き付けて左手で純弥の手を持ち一旦ドラゴンから身を隠す。
ドラゴンは俺達が消えたと思ってマヌケな顔をしながら俺達を探す行動をする。
