
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第2章 第2話 マギ・ウォールド
すると純弥は先程の威圧的で骨太なデスメタルと打って変わり静かで、まるで心を落ち着かせる音撃を出した。
そう。俺が土壇場で思い付いた悪知恵もとい、とっておきの策とはドラゴンを眠らせる事だ。
音楽というのは人の心に喜びや興奮に作用する。その反対もあり人の心を落ち着かせたり心に安心をもする事が出来る。
そして今、純弥のノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-はドラゴンに心を落ち着かせたり安心を与えてる。ドラゴンの体力は疲れきり眠りに落ちるだろう。
そしてドラゴンは俺達の思惑通りに徐々に眠気を煽り瞼がゆっくりと閉じて眠りに落ちた。
「やったな刃。」
「俺の思惑通りのまんまだぜ純弥…」
俺と純弥は各々のキャリバー・カードを引っ込めて座り込む。やっぱり、かなり疲れちまったよ。
緊張から解放されて安心しきって俺は地面に仰向けになる。
「これなら当分は起きないだろうな。」
「今ここで起きたら間違いなくドラゴンの腹の中だよ…」
「全くその通りだ。立てるか刃。もうここからは離れよう。」
「そうだな…よっこらせっと!」
俺は立ち上がり歩きながら目指す場所は今はまだ分からないけど純弥と話し合う。
「ソレにしても本当にここって俺達の済んでいる所とは全然違うよなぁ…」
「まぁ、それは俺達の世界にこんな馬鹿みたいに広いジャングルはそうそう無いし、まずドラゴンなんて居ない。大昔に恐竜がいたくらいだ。」
「やっぱりそうだよな…ってかあのガブリエルって奴は何で俺達に仲間を集めて旅をしろなんて言うんだよ?」
「その意図は全くって言って良いほど分からないが…俺達は立ち止まってはイケないみたいだな。」
「ん…今度あったら聞いてやろ。」
「素直に答えてはくれないと思うぞ刃。あっ…湖を見付けた。」
「おおッ!!俺もう喉がカラカラだよ…」
「取り敢えず此処で少し休憩だな。」
