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カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-

第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-

その手錠に足枷を付けられた女の人は年齢も対して俺とか純弥と対して変わらないのだろう。着ている服もボロ雑巾の様でその目は…

言うまでもない。今にも溢れ落ちそうな目には必死に涙を堪えてる。顔は無表情を装っているけど…見ていて胸くそ悪い…

俺はギリギリと強く両手の拳を握り露骨に表情を強張らせる。

「刃…抑えろ。」

「分かってる…だけど…」

「お前の気持ちも分からんでもない。だけど今は下手に騒ぎを起こせば仲間を探し辛くなる。」

「くっ…」

今にもあの性根の腐った様な顔をした親父達にブン殴りそうな勢いの俺に純弥は冷静な口調で押し留める。

「うひひひ…今日は中々の買い物をしたぜ兄貴。」

「あぁ、全くだ。気まぐれに行ったヒューマンショップにこんな掘り出し物を見付けたぜ。」

「うひひひ…そこそこ良い値段はしたけど、こんな上玉を゙奴隷゙に出来るなら良いもんだぜ。」

「お前の奴隷遊びが趣味が悪いぜ。辱しめてから…サドなお前は今度は何をさせるんだ?」

「そうだな…それは帰ってから考えるぜ兄貴。」

そう言った後に性根の腐ったオヤジ2人は立ち上がり会計を済まし店から出ようとした時に奴隷の女の子を引き連れて最後の一言。

「若い女の苦痛に悶える叫びは極上な物なんだぜ…」

その最後に言い放った俺は完全に堪忍袋がブチ切れて立ち上がろうとした瞬間だった…

「へい!待たしたな!俺のオススメの飯7人前だ!残さず食えよッ!」

マスターに不意を突かれた様なタイミングで料理をテーブルの上に置かれた。

「済まないな。あんちゃん達。見ないから旅のもんなんだろ?」

「う、うん…」

「この国は奴隷や人身売買が黙認されてる国でな…」

「そんな…」

「あんちゃんは正義感が強いから見ていて胸くそ悪かったんだろ?」

「あぁ…」

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