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カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-

第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-


すると、この和やかな雰囲気をブチ壊すかの様に皿が地面に落ち割れる音が聞こえてきて店の中を見てみるとマスターと武装した2人の男達が揉めていた。

「おい!こんな不味い飯に不味い酒を出しといて金を払えだ?!」

「お願いしますお客様!私も生活が掛かっているが故…」

「ふん!この様な商売が出来るのは誰のお陰だと思ってる?!我々、魔導軍のお陰だぞ?!」

「しかしお客様!魔導軍と言えどお代は…」

「くどいッ!!」

「うっ…」

すると魔導軍と呼ばれる1人の男がマスターに拳を思いっきり振り抜きマスターは唇を切ったのか口から血が流れる。

「おいおい魔導軍だよ…」

「相変わらず横暴だ…」

「おぉ…怖い怖い。この際は関わらない方が身のためだな。」

「そうそう関われば厄介な事になるし障らぬ神に祟りなしとも言うし…」

店の客達はあんまり厄介事に関わりたくないのかマスターを庇う様子もなく、魔導軍を咎める様子がない…

何なんだよ…コレ…なんでマスターが殴られなくちゃイケないんだよ…あの2人…大の大人が常識ってのがねぇのかよ…

なんで他の連中は見ているだけで何にもしないんだよ…

俺は立ち上がって魔導軍の2人の元に行く。純弥もダリオも一八もさっきのやり取りを見て俺を止める素振りも見せない。

「お、おい…あんちゃん。」

「大丈夫だよマスター。」

「…」

マスターは悲しく不安げな顔をしながら俺を止めようとするが俺は眉間にシワを寄せながら魔導軍に近付く。

「おい…あんたら…」

「なんだ?ボーズ。俺達は忙しいんだよ。」

「お前に構ってる様子はないんだよ。これから俺達は仕事をしなくちゃイケないんだよ。」

「そうか…なんなら、そんな時間をかけやしない。」

「あん?」

「マスターに金払ってマスターに謝れ!お前らッ!!」

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