
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-
そして純弥はあの敬語男と交戦中。敬語男はコインを弾丸の様に飛ばしながら純弥を追い掛ける。
「どうしました?逃げてばかりだと勝てませんよ?」
「別にただ逃げていた訳じゃないさ。」
純弥はギターのピックでノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-の弦を軽くなぞる様にギターをならす。
【Pitch Extent】
ノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-から無機質な機械音が鳴ると同時に純弥を中心に薄く半透明なサークルが出てくる。
「今のでわかりましたよ。貴方の能力はこのサークルで覆われた範囲で音による攻撃をするのでしょう?」
「今更だなアンタ。分かった所で何かあるのか?」
「貴方は癇に障りますねぇ…」
「悪いな。口喧嘩はあんまり得意じゃないんでな。」
「ガキが…」
「どっちがだ?沸点の低い大人だな。」
敬語男は問答無用で両手からコインを純弥に向かって無数に撃ち込む。
「アンタは馬鹿か?それはもう俺には効かない。」
純弥はノイズ・ザ・フールの弦をピックで弾くと純弥の周りに音の衝撃波のバリアが張られてコインをガードする。
つもりだった…
「なに?」
「コインに回転力を掛けましたからね。スピードは無いぶん貫通力がありますからね。」
「ぐっ…」
純弥の音の衝撃波のバリアは貫通されて全てのコインが純弥に弾丸の如く突き刺さる。
「さて…馬鹿はどちらでしょうね…さっきよりも回転力をつけたからコインのスピードが遅いはずだったのですがねぇ。」
「ふん。」
「その生意気な目がとことんムカつきますねぇ。」
「本当にプライドだけが取り柄の沸点の低いガキだな。威力もたいした威力じゃないしな。」
「嘗めた口を聞くんじゃねぇぞガキ…」
「メッキが剥がれたなアンタ。」
純弥は口から血を唾の様に吐き出してノイズ・ザ・フール-騒音の愚者-を構える。
