
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-
「ファースト…」
一八は体勢を低く構えて右側の背中にある3つの内の1つの排気管から煙をあげる。
「ウォォオオオッ!!ブレイク・ナックルッ!!!」
一八のエンジン・チャリオッツ-熱機関の戦車-は気だるそうな男に向かって加速しながら拳を放とうとする。
「甘いな…」
「ちっ!!」
気だるそうな男は槍の矛先を盾の様に形状を変えて一八の拳を防ぐと一八は露骨に舌打ちをして距離をとる。
「悪いな。俺のスピアー・クラブ-変幻自在の槍-は俺の想いがそのままに変幻自在する武器だ。」
「それがどうしたッ!セカンド…」
「やれやれ…」
一八は右の拳を地面に叩き付けて上空に飛び構えて右側の背中にある3つの内の2つの排気管から煙をあげる。
「ブースト・ナックルッ!!」
「芸がないな…アンタは俺との相性が悪いんだよ。」
上空からくる一八の拳を気だるそうな男は再び槍の矛先を盾に変えて防ごうとするが…
「なに…俺が押されてる…?」
「当たり前だ!俺のエンジン・チャリオッツ-熱機関の戦車-は勝利と侵略を暗示するキャリバー・カードだ!どんな敵にも勝利しどんな相手にも屈しない!!」
「マズイな…」
気だるそうな男は一八から放たれていた強力な拳の重心をズラして受け流すかの様に避ける。
すると一八の拳はそのまんま地面に叩き付ける形になり地面には大きく穴が開けられ地面は抉られていて一八のエンジン・チャリオッツ-熱機関の戦車-が正に力技だと言うのが分かる。
「なるほどね…アンタの能力は芸がないけど、その変わり芸がないぶんゴリ押しの力技って事ね…」
「とある人が言っていた。戦闘においては正に生か死のみ。相手を確実に仕留めるには余計な小技は無用。なら相手を確実に仕留めるには己の得意技を徹底的に研き上げ、絶対的な必殺技に昇華させる事。」
「皮肉かよ…」
