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恋してキスして抱きしめて

第9章 あの、立場逆転してませんか?

「ちょ、ちょっと落ち着こっか」

「あたしは落ち着いてます」

「だよね! 俺だよね!」



はい、自分だけ深呼吸~~


ってマジでどうしよ~~!


そりゃ、逢いたくてすっ飛んできたのは俺だけど。


千夏が別人みたいに冷静だから、ボクは逆に動揺してるわけで。




………いや、違うんだよちーちゃん。


その真っ直ぐな想いと向き合う以前の問題で………



「……俺さ、頼まれてるんだ。
ちーちゃんの恋を応援しなきゃいけないんだよ」

「お兄ちゃんですよね?」

「いや、もう1人……」

「えっ…? どなたですか?」

「それは言えないんだけど、でも命令なの」

「命令?」

「大人の事情っつーか……」



今の俺、“ タジタジ ” って表現がぴったり……


また大人って線引きしたせいで、千夏は少しイラついたのか


俺の手をギュッと握って、一歩近付いてきた。




「……その命令、お断りしていただけませんか?」


「…………!!」


「あたしはきっと、もう恋してます」

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