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恋してキスして抱きしめて

第10章 ゆっくり進もうって、俺言ったよね!?

こ、怖えぇぇぇ~~~!!


ほんとに切なそうな顔しちゃってるよ!!


つーか、“ なんだか切ない ” ってなんだよソレ!!


君のせいで、適当でいいかげんな奴だった俺が


頑張ってモテようとしてる一生懸命男子になっちゃったじゃん!!



「舞ちゃん、完全に脱線したよね?
女性の気持ちが分かるって話は一体どこへ……」

「ですから、本当のユーリさんが垣間見れちゃうんです」

「は?」

「ユーリさんは仮面かぶってるつもりでも、隠しきれずに滲み出ちゃってるから
ユーリさんを好きな女性達は、すぐ気付くんです」

「…………」



俺、頭キレるし勘もいいはずなのに


ぜ、全然理解できないんですけど……


呆気にとられる俺からふっと目を逸らして、舞ちゃんは立ち上がった。




「 “ 狂おしいくらい好きな人程

手に入れたいと思う反面、幸せになってほしいと願う ” 」


「………?」


「酔っ払った誰かさんが、飲み会の時に言っていたセリフです。

本気で誰かを愛したことのある人でしか、分からない想い。

……だから、応援したくなっちゃうんです」

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