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恋してキスして抱きしめて

第10章 ゆっくり進もうって、俺言ったよね!?

「…………」



……キュン……って、感じ?


表面だけじゃなくて、素で言ってるって分かるから、こんなにも心に響くんだ。


仕事は真面目に取り組む俺でも、本気でサボりたくなってきた。



「……本当に、ごめんな」

『いえいえ、土日もお仕事なんて大変ですね。
体、壊さないか心配です』

「こう見えても体力あるから。
サラリーマンはタフじゃないと務まらないのよ」

『ふふっ、細いのに凄いです♡』



……お前だって細いだろ。


背丈も顔も小っちゃくて、手なんか折れそうなほど白くて細くて……ってマジでなんなんだ~~この感じ。


思い出しただけで胸が締め付けられるし、声を聞いただけで逢いたくなる。


……中学生かよ……



「埋め合わせは必ずするよ。 なんなら来週とか……」

『ユーリさん』



千夏が話を遮った。

さっきまでの上擦った声とは違い、ハッキリと俺の名を呼ぶ。



「ん?」

『…………』

「ちーちゃん?」

『今夜……』

「え?」

『今夜、逢えませんか?』



………何だって?



『何時でもいいので、一緒にいてくれませんか?

……あたしが、逢いにいきます』

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