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恋してキスして抱きしめて

第17章 積乱雲と、スコール

「……あの……?」

「……っ 朝倉夏輝……!」

「……えっ?」



バッグと食材の袋を握りしめて、あたしは続ける。



「あたしは……朝倉千夏です。
お兄ちゃんとは、8コ歳が離れています」

「…………!」

「……お兄ちゃんから、大学時代のお話を聞くのが大好きでした。
……1年ちょっとしか、在籍してなかったけど……」



……って、あたし何いきなり喋り出してるんだろう。


心臓の音がうるさいから、声まで大きくなってしまう。


いたたまれなくなって、ぎゅっと目を瞑ると……



「……わぁ……♡」

「…………!」

「ほんとだ、夏輝君によく似てるね」



………!


その柔らかい声に驚いて、目を開けると


白いワンピースを風になびかせて、朱莉さんが近付いてきた。

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