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恋してキスして抱きしめて

第17章 積乱雲と、スコール

「……千夏……?」



びっくりした顔で、ユーリさんがあたしを呼んだけど


あたしは朱莉さんに近寄って、そっとその腕に触れた。




“ 外と遮断された施設 ”


“ 痛みを、感じていない ”




………ママの、最期と同じ………




「…………っ」




どうして……?


どうして、どうして……?




「……朱莉さん……っ」




“ 腹立つくらい、2人とも幸せそうな顔するんだよ ”



お兄ちゃんから聞いていた、ユーリさんと朱莉さんのお話



2人の恋愛もそうだけど、周りにはたくさんの素敵な友人がいて



聞いているあたしが羨ましくなるほどの、楽しい大学時代を過ごしていて



お兄ちゃんがそうであるように、今でも絆の続くお友達が、朱莉さんにもいるんでしょう……?



それなのに



どうして………?

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