恋してキスして抱きしめて
第18章 心からの祈り
………あの日
大学近くのカフェで朱莉と再会した時
触れる直前まで伸ばした俺の手は
確実に朱莉を抱きしめようとしていた。
だけど
“ あの頃、楽しかったね
……戻れるなら、もう一度…… ”
「…………っ」
………朱莉、戻らなくていいんだよ。
俺は、お前の事を心から愛していて
別れた後も、ずっとお前とやり直したいって願っていた。
それでも、あれから時は過ぎて
俺の心には、少しずつ変化が生まれて
今、その想いは確実な祈りへと変わったんだ。
………朱莉が、生涯共にすると決めた相手を見つけたなら………
“ 酔っ払った誰かさんが、飲み会の時に言っていたセリフです ”
………俺は
朱莉に
誰よりも1番
幸せになってほしいんだよ………