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恋してキスして抱きしめて

第18章 心からの祈り

“ 病院が分かったら、連絡ください ”



「…………!」



ハッと我に返った。


走り去る直前に千夏が言った言葉を思い出して、ポケットから携帯を取り出す。


朱莉のことで頭がいっぱいで、途中から千夏を見ていなかった。



“ ユーリさん、朱莉さんが……っ ”



………過去、夏輝から何度も話を聞いていたとはいえ


朱莉を見ただけで、本人だと気付いたのか……?


それに


あいつ………




「………すみません!」




その時


病室から少し先にある、ナースステーションの前で


野太い男の声が聞こえてきた。


携帯から視線を上げて


その方向へ目を向けると……




「桜木(さくらぎ)朱莉の病室はどこでしょうか!?」



「…………!!」


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