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恋してキスして抱きしめて

第18章 心からの祈り

ど、どえぇぇぇぇぇぇ~~~!!

なにこのオッサン!!



「ゴホゴホ……っ すみません……
ちょっと休憩……グォッホ…ッ!」

「~~~~~!!」



突進した勢いでスゲーむせてるし!!

口からお汁が飛びましたよお汁が!!

それが俺のTシャツにかかりましたよ~~~!!



「はぁ……はぁ……面目ない。
こんなに走ったのは久しぶりで……」



……目の前で、過呼吸並みに悶える中年の男。


目が合った時とは違った意味で、動悸が止まらねぇ。



………あのですね。


僕は、今カノと元カノの遭遇現場から、救急車に乗るという極めて深刻な場面を経て


つい先程まで、切なく朱莉への想いを馳せていたんですよ。



「…………」



まるで笑えない一人芸を見た時のように


だんだんと冷静さが戻ってきた。




………オッサン。


朱莉の病室を探して


ここへダッシュして来て


そして、今


“ 家内 ” って仰りましたよね……?

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