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恋してキスして抱きしめて

第18章 心からの祈り

「…………」



朱莉と別れてからの、3年間。


フラれた立場の俺は、打ちひしがれながらも


職場があって、多くの友人達が居て、適当に繋がる女達が居て


だけど


朱莉は………



“ もう、絶対に来たりしないわ。
……迷惑かけて、ごめんなさい ”



「………倒れる前に」



俺は半分呆けたまま口を開いた。



「明日、東京を出るって……」

「…………」

「どこへ、行くんですか……?」



そう聞きながらも、外と遮断された施設だと言ってたことを覚えている。


その言葉に、異常な程千夏が反応したんだ。



「…………」



旦那は再び目線を落とすと


額を手で押さえて、低く唸った。




「………家でも、ふとした時に言い続けるんだ。

“ ごめんなさい ”

“ 弱くて、ごめんなさい ” と……」


「…………!」


「その度に、背中を摩って

弱くていいんだよ、謝らなくていいんだよと、宥めるんだが

………あの日は、私も仕事が連勤で疲れていてね

つい、口から出てしまった」




朱莉の旦那は


消えそうな声を絞り出した。




「……頭が、おかしいと……」


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