恋してキスして抱きしめて
第22章 青春フルスロットル
お兄ちゃんと話をした翌日、すぐにユーリさんに電話しようとした。
だけど
手が震えてしまって、指が動かなくて
ユーリさんと朱莉さんの笑顔を思い出してしまって、最後のボタンが押せなくなってしまう。
そんな日を繰り返して、結局今日の学祭を迎えてしまった。
……本当は、ユーリさんと一緒に回りたかったのに……
「もぉ~~~!
千夏の気持ちはよく分かるけど!
外野の私から見たら、めっちゃムズムズするわぁ~~!」
陽菜ちゃんは自分の髪をワシャワシャと掻いて、ぐっと身を乗り出した。
「よく考えてみなって。
ユーリさんはサヨナラを告げられた立場なんだから!
フラれた元カノに電話なんてできないわよ!」
「~~~!!
も、元カノ……!!」
「分かりやすくガァァン!って顔しないの!
逆でしょ、千夏。
あんたから連絡しなきゃいけないと思う!絶対!」
「~~~~っ」
「携帯貸して!
おせっかいな私がユーリさんにかけちゃう!」