恋してキスして抱きしめて
第22章 青春フルスロットル
「…………っ///」
色気を振り撒きながらも、少年のようないたずらっこな笑顔で
………理由は、分からないけど
胸が高鳴って、心臓がキュンキュンと音を立てる。
「学祭に来る為に、仕事放り投げてきちゃったんですか!?」
「あぁ、契約不成立で3000万くらい損するかもな」
「えぇぇぇ!?」
さらりと口にした額が破格すぎて、陽菜ちゃんが驚いて立ち上がると
「一世一代の公開処刑に立ちあえるんだ。
安いもんだろ」
彼はそう言って微笑むと、再びあたしの方に振り返った。
「千夏ちゃん、君はここで待っててね」
「……えっ……!?」
「準備が整うまで、動いたらだめだよ。
後で、迎えに来させるから」
そして、呆然とする陽菜ちゃんの方に視線を戻すと
まるで全身から炎が燃えているような、熱いオーラを放出させて
彼は、革靴をキュッと鳴らして1歩前に出た。
「陽菜。
実行委員長の所へ案内して」
「…………!!」
「1番目立つ場所を使いたい。
OBの権力をフルに乱用して
最高な舞台を、完璧に整えるのが俺の役目だ」
鋭い瞳が、キラリと光った。
「……絶対に、成功させてやる」