恋してキスして抱きしめて
第22章 青春フルスロットル
最寄駅から大学までは
大通りを真っ直ぐ進むだけであり、所要時間は徒歩5分。
千夏に連絡をする時間ですら勿体なくて、人をかき分けながらひたすら走る。
「……はぁ……っ」
………大学にいるだろうという、このカンが当たって
あのドでかいキャンパスの中で、千夏を見つける事が出来たら
今度こそ、俺は………
「…………っ」
ぐっと拳を握りしめて、地面を蹴る足にさらに力を入れる。
ライトアップされた、学祭の名が掲げられた正門が見えてくると
「…………」
……あ……?
さらに加速をするはずの足が
徐々に速度を落としていく。
………いや、本当はピタッと止まりたかったんだけど
猛ダッシュしていたから、急にそうすることはできねぇわけで……