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恋してキスして抱きしめて

第4章 朝倉家の天使、ご対面

“ 娘は昼食の時間になると、構内にある噴水広場のベンチで読書をしているらしい。
明日も講義があると言ってたから、多分いるだろう ”



………ザックリした情報だな!!


昨日、来客を告げた秘書により俺は常務の部屋から追い出され、マジでその曖昧な居場所だけしか聞けなかった。


~~~協力惜しみまくりじゃねーか!


自分達が関与してるとバレたくないとはいえ、普通は連絡先とか写真とか渡すだろ!


どんだけ雑なんだ!



「……しっかし暑ちぃな~~」



ジリジリと太陽が照りつける中、芝生をずかずか踏み潰して広場へ向かう。


今週末は、海の日と連なる7月の3連休。


今日は平日の水曜だけど、ほとんどの学生は初旬から夏休みに入っているから、外を歩いている奴らも少ない。


つーかさ~、これだけ暑い真昼間に、ベンチで本読んでるとか頭おかしいんじゃねーの?



「…………」



もし父親の情報が間違っていて、娘が食堂とか講堂に行っちまってるなら


このデカいキャンパス内を捜索するなんてことに………


~~~無理無理!


祈るような気持ちで噴水の横を通り過ぎ、いくつか並んだベンチに目を向ける。


すると………

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