恋してキスして抱きしめて
第26章 恋してキスして抱きしめて
………突如
俺の頭の後ろから、聞き覚えのある声が降ってきた。
「…………」
いや、聞き覚えっつーか……
この低い声は、つい2日前に………
「広いな、この会社。
フロア間違えちまった」
「~~~~~!!!!」
~~ガタタッッ!!
振り返って、その姿を目にした途端
俺は派手にイスから転げ落ちた。
その音で
舞ちゃんをはじめとした周りの視線が、一瞬でそいつに集中する。
~~~ぼ、亡霊!?
「よ、2日ぶり」
大学の入学式以来、初めて見るであろうスーツ姿。
首元と腕のタトゥーも、ハイブランドのシャツでしっかり隠されている。
どうやったのか不明だけど、刈り上げて作った頭のラインは消えていて
………アクセサリー類も全て外したその男は
俺を見下ろしてニッコリ微笑んだ。