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恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

千夏と別れた後、電車の中で携帯から検索をかけると


連休初日、都内からすぐ行ける場所で、例年開催してる花火大会がヒットした。


みなとみらいと呼ばれる、横浜市の海沿いにある工業地域を、再開発して作った街区。


海に面した芝生のデカイ公園から花火が見えて……ってそういや昔、仲間と一緒に行ったんだ。


今思えば、花火とか海とかプールとか、夏の風物詩は全部堪能した学生時代だったな。


就職してからしばらくは激務で遊ぶことなんてできなかったし、慣れた今では健全なデートはしなくなったから


こうして何かの行事を調べて出掛けるのは、かなり久しぶりだ。




「ま、子守だけど」




土曜日当日、午後5時半。


自分に言い聞かせるように呟きながら、俺は待ち合わせの駅へと向かった。


花火大会に行くであろう若者や子連れがあちこちに溢れていて、駅はいつも以上に人でごった返している。


分かりやすさから集合場所に決めた、コンコースにあるモニュメントの前まで行くと……

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