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恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

「………見惚れた」

「……えっ!?///」



髪に触れた感触と俺の声で、千夏はパッと目を開けた。



「見惚れちゃったよ、ちーちゃん。
マジで、マジで可愛い」

「ユ……ユーリさ……」

「ちゃんと君に歩幅合わせるから。
心配しないで、俺についてきて」



俺がそう言うと、千夏はホッとしたように微笑んだ。


うっすらオレンジ色のチークも、控え目に付けられたグロスも


普段完璧な化粧をする女達ばかり見てる俺にとっては、新鮮で


千夏よりも俺の方が緊張してるんじゃないかってくらい、妙に鼓動が早くなる。



「それはそうとさ~
本当に30分も前から待ってたの~?」

「あ、はい。
着いたのは4時半くらいで……」

「4時半!? 1時間も前じゃん!」



駅から公園まで歩き始めた俺が、その答えに驚いて振り向くと


しまったという表情になり、千夏は口元を押さえた。

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